【2020年最新】中国ネット通販、EC売上ランキングTOP5!

中国ではコロナウイルスが大流行している影響で、ネット通販アプリの利用数が急増しています。

急激な成長を遂げる中国のオンライン市場、2019年4月に経済産業省から発表されたレポートを見ると2018年度の中国の市場規模は約165兆円(1億5267億ドル※1ドルを108円で計算)になります。その巨大な市場でどのようなECサイトが中国でシェアを獲得しているのでしょうか?

ネット小売り市場において中国で1番シェアを獲得しているECサイトはアリババグループの「天猫(Tmall)」で、B2Cネット通販の市場シェアの52.5%と過半数を占めています。2位の「京東(JD.com)」は31.3%とこの2強により、世界一のアマゾンも2019年に中国市場からの撤退を表明しています。この2社による独占状態はしばらく続きそうです。とは言え全体の中国のBtoC-EC売上は非常に大きな伸びを見せており、世界でもEC売上1位を誇る中国のEC市場は、まだまだ成長する数字となっています。

2018年上半期の中国EC売上ランキング

2018年上半期中国ECサイト売上ランキング

出展:www.100ec.cn

中国ECサイト取引額ベスト5

2019年4月に経済産業省から発表されたレポートをもとに中国のECサイトの取引額のベスト5を取り上げてみました。まずは下記のグラフと表をご覧ください。

【年間】2018年中国ECプラットフォームシェア

◆中国ECサイトのランキングベスト5

シェア
1位天猫(Tmall)52.5%
2位京東(JD.com)31.3%
3位唯品会(vip.com)5.7%
4位蘇寧易講(Suning)3.7%
5位国美在線(Gome)1.2%

当記事においてデータや図は指定がない場合、経済産業省の最新の調査結果より引用:平成 30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

天猫(Tmall)と京東(JD.com)の2強で83.3%のシェアを独占

上記の図を見ると、中国のECサイトはこの2社でほぼ市場を独占しています。前年度(2017年度)のこの2社のシェアは81.3%であり、2016年度は2%も上昇しており、この2社の寡占化はさらに進んでいます。3位以下のECサイトにとっては厳しい状況です。

【上半期】2018年シェア

順位ECサイト名取引額市場シェア
1位天猫36兆1,900億円55.0%
2位京東16兆5,816億円25.2%
3位拼多多3兆7,506億円5.70%
4位蘇寧易購2兆9,610億円4.50%
5位唯品会2兆8,294億円4.30%
6位宝尊1兆9,740億円3.0%
7位国美在線7,896億円1.2%
8位amazon中国3,948億円0.6%
9位当当329億円0.5%
10位聚美优品212億円0.3%

変わらず断トツ1位のシェア率を誇る、アリババグループの「天猫(Tmall)」が2018年上半期で36兆円以上の売上を達成、昨年よりも5%ほどシェア率を伸ばし、市場シェア率は55%と一位です。

続いて二位の「京東(JD)」も16兆円以上の売上を達成し、昨年よりも0.8%増加し、シェア率は25.2%となっています。

続いて中国ECでは後発であったグルーポン形式で商品を販売している「拼多多(pinguoduo)」が三位です。

その後は4位に蘇寧易購(Suning)、5位に唯品会(Vipshop)、国美在線(Gome)、Amazonの中国(0.6%)などが続くという結果になっています。

【上半期】中国BtoCのEC売上高は65.8兆円

中国電子商取引研究センターによると、中国国内のEC小売市場は約65.8兆円となり、30.1%増加しています。さらに約66%がモバイルでの取引、つまりスマートフォンでの購入となります。このシェア率TOP5のECサイトをご紹介していきます。

1位 天猫(Tmall)

2018年上半期売上高:約36兆1,900億円(55.0%)

天猫(Tmall)はアリババグループが2013年に開設したショッピングモール型のBtoC-ECサイトです。特徴として、中国のユーザーから非常に高い信頼性があります。

この天猫(Tmall)の特徴として同グループの“淘宝(タオバオ /Taobao.com)”とは異なり、中国国内に流通してしまっている非正規品、つまり偽物の取り扱いが少なく、正規メーカーや店舗が本物の商品を取り扱っている点です。

そのため厳しい審査が通った法人のみが出店できるというショッピングモールとなり、国内企業でもパナソニックやソニー、ユニクロ、資生堂、花王、ライオンなど日本を代表する企業も出店しています。

2位 京東(JD)

2018年上半期売上高:約16兆5,816億円(25.2%)

世界一のEC市場規模を誇る中国でも、天猫(Tmall)に次いでランクインしているのが京東(JD)です。

天猫(Tmall)は各事業者に対して出店をさせるというビジネスモデルですが、京東(JD)は超大型のセレクトショップとなり、自社で商品を仕入れ、それを消費者向けに販売しています。

日本市場で例えるなら、

  • 天猫(Tmall)=楽天市場
  • 京東(JD) =アマゾン

がわかりやすいですね。ただ中国国内の直販型ECサイトでは、京東(JD)はシェア50%を超えています。デジタル家電なら京東(JD)が日本で言うヤマダ、エディオン、ヨドバシの直販ECサイトというイメージです。

3位 拼多多(pinduoduo)

2018年上半期売上高:約3兆7,506億円(5.7%)

拼多多(pinduoduo)は新規参入の2015年に開設されたECプラットフォームです。

2017年にはユーザーが3億人を超え、昨年末の1日の注文量は京東(JD)を超えたというニュースもあり、2018年のアクティブユーザー数は1.14億人と3位になりました。

この拼多多(pinduoduo)は、グルーポン形式で商品を販売しているということもあり、SNS上でのつながりをはじめ、テンセントが提供する中国最大のチャット「微信」などでのアクセスが伸びた要因と言われています。

4位 蘇寧易購(Suning)

2018年上半期売上高:約2兆9,610億円(4.5%)

蘇寧易購(Suning)を運営しているのは、「蘇寧電器」という中国の家電量販店で、中国中に1,600以上の店舗展開をし、日本のラオックスを買収した企業です。

元々が家電量販店ということもあり当然家電に強く、2010年に蘇寧易購(Suning)をのECサイト開設してからは、店舗とECの連携を行い、物流も含めたオムニチャネルを実行しています。京東と同業態と言えます。

5位 唯品会(VIP.com)

2018年上半期売上高:約2兆8,294億円(4.3%)

唯品会(VIP.com)はアパレルやアクセサリーを中心としたファッションアイテムを得意としているECサイトで、会員数は約2億人以上、女性ユーザーを中心に人気のECサイトです。

唯品会(VIP.com)の特徴として、海外のブランドやメーカーから直接仕入をしているため、中国で懸念されている非正規品、つまり偽物の心配がない信頼性の高いECサイトです。正規品の保証も手厚く、万が一偽物であった場合は全額保証などのサービスも展開しています。

「フラッシュセール」という期間限定の割引を行う手法を行い、定期的に行われるフラッシュセールはユーザーのリピート率を増加させています。

Amazonは中国市場から撤退!

世界中でシェアを独占しているAmazonも中国市場では苦戦しています。2017年の中国のECサイトでの取引額は7位でしたが、下記ニュースによると、Amazonは中国市場からの撤退を表明しました。

参考記事:米アマゾン、中国でのネット通販から撤退 競争で苦戦続き

この背景には中国政府が規制により、中国企業を保護してきたことがあげられますが、中国でのネットビジネスが難しく、他国での成功モデルが通用しないことが原因にあります。

中国でBtoCのECサイトが伸びている理由とは?

元々中国でのネット取引はCtoCがメインでした。しかし、2015年にはBtoCの取引額がCtoCを上回り52.1%となり、2016年度には55.3%となりました。

◆中国ネット通販市場の取引モデル構成(C2C VS B2C)

データ参照サイト:BTMU(China)経済週報 2017 年 6 月 21 日 第 353 期

この背景には、中国ネット通販市場の成熟化及び、偽物が多く出回っている市場において「天猫(Tmaill)」や「京東(JD.com)」のようなECサイトがユーザーから信頼されていることがあります。そして中国人ユーザーは、商品を検索するときは、検索エンジンではなくモール内で検索することから、2大モールのシェアがますます伸び、BtoC市場を牽引しているのです。

さらに、中国で急激にスマートフォンが普及。スマートフォンでカンタンに決済できる支付宝(Alipay)や微信支付(WeChat Pay)によるキャッシュレス化がBtoCのECサイトを成長を押し上げており、中国人ユーザーにECサイトでの買い物をいっそう身近にさせています。

急激に成長する中国EC市場規模

下記の赤い四角をご覧ください。を上段が2018年で、下段が2017年を表します。これを見ると中国のEC市場が巨大かつ、成長率も、他国と比べて、対前年比36.8%となっており急激に成長していることがわかります。

◆世界のEC市場取引規模の推移(単位:億米ドル)

数年前まで中国のインターネット業界には、ECサイトに偽物商品があったり、シャドーバンキングなどの詐欺行為が社会問題となっていました。

しかし、急激に成長した背景には2015年3月に中国国務院(中国における内閣)が打ち出した「インターネット+」という計画を打ち出しました。この政府の計画によって、中国におけるインターネット取引の健全になりつつあります。こういった政府主導の動きの速さも中国の特徴です。

インターネット+とは?

インターネット+とは、政府工作報告では下記のように定義されています。

「モバイルインターネット、クラウド、ビックデータ、Iotと近代製造業とを連携させ、ECや業界向けインターネット、インターネット金融などの健全な発展を促進する」

この計画により、中国は世界で最もオンライン取引が進んだ国となり、

①決済
②振込
③貸付
④保険購入

世界でも例を見ないキャッシュレス化が進んでいますこれらを背景に中国のあらゆる分野において力強く発展しており、これらの新技術が、EC市場の急激な成長を後押ししているのです。

現に、中国のデジタル決済市場は米国の約50倍に達し、今ではこういったキャッシュレス技術は、世界の見本になっております。

最新の中国EC業界のトレンド

中国EC業界における最新のトレンドを2つ紹介いたします。

チャット問い合わせのAIの利用が増加

日本ではあまり浸透しておりませんが、中国のECサイトではチャットによる問い合わせが広く浸透しております。

その背景には、中国では偽物商品が多く、ユーザーもチャットでしっかり商品を確認してから購入したり、あるいはチャットはログが残りますので、そのログを何かあった時のためのエビデンスできるため、中国のECサイトでは、必須の問い合わせ方法になっています。

サイトのほぼ9割が深夜を除く15時間前後はリアルタイムで窓口対応をしてくれます。スマートフォンの普及によりオフィスのみでなく、スマホなどのモバイル端末からリモートでカスタマー担当者がモバイル対応しているようです。

中国ECサイト最大手のアリババでは、「シャオアイス」というマイクロソフトが開発したAIを活用し、購入したい商品の評判を調べ、チャットでサポートしてくれます。本格的な問い合わせ対応は無理のようで、一部機能に限っていますが、チャット問い合わせが多い中国では、AIの進化に伴いAIによるチャット対応が普及していくのは間違いありません。

アリババのスマートスピーカー「Tmall Genie」

AmazonやGoogleから発売されたスマートスピーカーですが、中国のECサイト最大手を要するアリババからも「Tmall Genie」が発表されました。

・音楽再生機能
・ニュースの読み上げ機能
・スマートフォームの制御
・ECサイト「Tmall」での買い物

スマートスピーカーには、声を聞き違えるという課題がありますが、Tmall Genieは声紋認識機能により利用者を特定することができます。

越境ECでの日本製品の購入額は約1.5兆円

中国国内から日本製品を購入する越境EC。この越境ECによって、2018年度は約1.5兆円も購入されました。2022年には倍の2.5兆円の市場規模になることが予想されています。

◆各国越境EC市場規模推計(2018年~2022年)

集客のマーケティングのノウハウを有し、越境ECを成功させることができれば、莫大な利益を生むことができます。ただし、両サイトとも審査基準があり、日本での実績や知名度が必要になり、どんな企業でも出店できるというわけではありません。

まとめ

今回は急激な成長を遂げる中国のオンライン市場におけるBtoCのECサイト売上ランキング&シェア率をご紹介しました。

有名な11月11日に行われる、中国ECで一番盛り上がるダブルイレブン(=独身の日)イベントもありますので、今後益々売上高は大きくなると予想されます。

上記サイトも個人輸入等で利用することもできますので、使い方はまたご紹介していきます。日本のみならず世界のECサイトから学べるモノの変化は継続して情報収集していきたます^^

関連記事

  1. 【サブスクリプション解説】サブスクってお得?便利?どんなサービス?

  2. 【データ保管】NASとクラウドストレージの違いとは?それぞれのメリット…

  3. GoogleChromeリモートデスクトップでPCを遠隔操作する方法と…

  4. 【テレワーク初心者おすすめ】Zoomの基本の使い方と活用事例とは?

  5. 【最新】インスタグラムInstagram2020年12月20日から利用…

  6. 【EC開業】ネット販売で準備する許可・資格とは?

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA