不労所得という言葉を知っていますか?読んで字のごとく「働かないで手に入れることのできる所得」のことです。そんな都合のいい存在があるのかという疑問もありますが、日々の身の回りに目を向けてみると「貯金の利子」であったり「株式の配当金」であったり、案外様々な不労所得が存在するものです。
そんな不労所得を考えるとき、実際のところ、本当に1億円が当たったら何に使うのでしょうか。調べてみると、LINE㈱が運営するLINEリサーチが「宝くじで1億円当たったときの使い道に関する調査」を行っています。
今回は、不労所得から学ぶ1億円の使い道を再現していきたいと思います。
不労所得とは?
労働をせずに得られる収入のこと
労働をせずに得られる収入という言葉の真意は、働かなくても「自動的に」収入が得られるということです。何もしなくてもお金が自分の手元に入ってきます。本業の仕事をしながら両立が可能で、副業として不労所得を得られるので、実施する前よりも金銭的な余裕ができるメリットがあります。本業ができなくなった場合のリスクヘッジと考えることもできて、非常に有用です。ただし、そのようなお得な収入が得られるまでには時間がかかります。収入が自動的に入る「システム」を作るためには、事前に様々な労力が必要なのです。
働かずに不労所得のみでというのは難しい
労働をせずにお金が手に入るというのはイメージとしては夢のような話ですが、実際、不労所得だけで生きていくことは難しいものです。不労所得を手に入れるにあたっては、それまでに一定の労力が必要となるからです。
例えば、不動産投資を考えてみると、最初に元手となるお金が必要です。無職や学生の身で、不動産投資に使えるような大きな資金を集めるには時間がかかりますよね。
また、お金に関する様々な知識が必要です。法律を犯してもいけませんから、法律に関するしっかりした知識も必要ですし、正しい金銭感覚を身に着けるといった基本的な事項も重要になってきます。
収入と支出のバランス、お金の使い方…こういった要素について高いレベルの知識を持っていないと、不労所得のマネジメントはうまくいかず、結局運用に行き詰ってしまいがちです。「不労」所得とはいっても、それを手に入れるための様々な労力が必要であること、本業に付随する副業的収入としての考え方も主流であることは念頭に置いておく必要があります。
【仮説】もし宝くじで1億円当たったら?
宝くじで1億円当たったこうしたところから諦めてしがちですが、これからの時代は企業に帰属すれば安心という時代から、個々の能力やスキルと成果が求められていきます。故に自らが知見を求めていく必要があるため、宝くじを例に調べていきましょう。
宝くじ購入経験者は約6割。年齢で比率もアップ
LINE㈱が運営するスマートフォン専用のリサーチプラットフォーム「LINEリサーチ」が行った「宝くじで1億円当たったときの使い道に関する調査」で、まずは宝くじの購入経験について質問をしています。
宝くじ購入の経験について(出典:LINEリサーチの調査より)
「宝くじを買った経験の有無」という質問に対しては、「ある」と答えた人が全体の約6割との結果が出ています。これを年代別で見てみると、10代が18%、20代が36%、30代が67%、40代が78%、50代が86%と年代が上がるに従って購入経験がある人の割合が増えていることがわかります。
気になるランキングは?
もし宝くじで1億円が当たったら何に使うのか?と質問したところ、総合では「貯金する」が55.0%となって、半数以上が保守的な考えを持っていることがわかりました。
1億円の使い道について(出典:LINEリサーチの調査より)
性別で見ても、男性の49.0%、女性の61.0%が「貯金する」と回答しています。総合で次に多かったのが「親にプレゼントを買う/親孝行する」が34.0%、「国内旅行に行く」が28.2%、「家(一戸建てやマンション)を買う」が27.3%、「海外旅行に行く」が24.0%となりました。親への感謝の気持ちや、自分や家族へのご褒美として使うことを考えているようです。
投資への興味は男性の方が高い傾向に
また「子どもの養育費・教育費にあてる」が男性では14.5%、女性では24.6%で、子どもが大学に進学をした時でも学費に困らないようにしたいと考えているのでしょう。子どもの将来のために使うことも念頭にあるようです。
さらに「資産運用に使う」に関しては、男性が21.6%で6位にランクインした反面、女性ではトップ10には入っていません。投資という概念は、女性よりも男性の方が強く持っているのかもしれません。
不労所得という考え方は未成熟
もし宝くじで1億円が当たったら、半数以上の人が「貯金する」と回答したことからも、お金に関しては保守的で堅実に考えていることがわかります。無駄に使わずに子どものため、投資のために使うという意見もあるので、計画的で慎重に使っていこうとする考えが見えた結果となったのではないでしょうか。
【初心者必見】不労所得で稼ぐおすすめの方法
不労所得単体で働かずに生きていくことは難しいとはいえ、不労所得を理解して正しく運用して利益を得られる人とそうでない人では、人生の過ごし方に大きな差が出てくるのは間違いありません。具体的にどのような方法が効果的なのか見ていきましょう。
コツをきちんとおさえれば難易度の低い方法で、いつでもスタートできます。
不動産投資
不動産投資は、「家賃収入」による生活です。マンション・アパート経営、駐車場経営や、資産運用がそれにあたります。自分で働かずにこれらの土地・不動産を所有してオーナーになり、それを利用する人々から家賃、あるいは利用料金を手に入れていますから、不労所得と言えますね。
不動産投資に関するメリットを考えてみると、まず「継続的・安定的」に入ってくる収入であるという点が挙げられます。マンション経営であれば、部屋が空室にならない限り毎月の家賃がずっと入ってきますし、駐車場であれば車が頻繁に利用する条件を満たした立地であればこちらも安定的に利用料金が支払われ、月収になります。
また、扱う物件が超低金利であることもポイントです。住宅ローン金利は低額ですから、金利の支払いを抑えられるのが大きなメリットといえるでしょう。
一方、デメリットを考えてみると、まずは空室のリスクが挙げられるでしょう。マンション経営において、自分の持っている部屋が空室になると不労所得が入ってきません。しかし定期的な掃除や使えなくなった家具の買い替えなど、維持費はかかり続けてしまう状態に陥るのです。これでは支出が続いてしまうだけで不労収入どころか不労「支出」というくらいです。
また、物件選びにも注意が必要です。つまり、きちんと収益が上げられる物件を見つけなければ、一向に収益を上げられなくなるということです。マンション経営であれば、人が住みたくなる場所(駅から近くにあるかなどが基準になります)や内装を持っているか。駐車場であれば、頻繁に車が利用するニーズのある立地なのか(商業施設や大学など大規模施設が近くにあるか、などが基準になります)。
株式投資
株式投資で得られる収入もオススメです。その収入の種類は大きく2種類あって、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」です。
キャピタルゲインとは、つまり「値上がり益」のこと。買った株が売却時に値上がりして得られる利益と説明できます。手数料と税金は差し引かれますが、正しいタイミングで売買すればそれを差し引いても十分な利益を得ることができます。FX(外国為替証拠金取引)などの金融商品もこのジャンルに含めることができます。
インカムゲインは、つまり「配当金」のこと。企業の利益の一部が株主に還元される際に、株主が会社から提供される利益のことです。これは自分が株式を購入した企業の業績によって左右されるため、業績悪化の際は受け取れない場合もあります。
株式投資におけるメリットを考えてみます。安定した不労所得という観点から見れば、配当金で安定した収入が得られるというのが大きな要素といえるでしょう。値上がり益は一時的なもので、1日ごとに株価は上がったり下がったり、タイミングに大きく左右されますから必ずしも安定した収入をもたらすとは限らないのですが、配当金に関して言えば企業が安定した業績を残し続ける限り、安定した不労所得を生み出します。
一方デメリットは、投資する企業選びには注意する必要があるということです。毎年の業績の増減が大きい企業は、業績悪化が著しいタイミングでは配当金が出ない場合があります。また、業績悪化が続いた企業は倒産や上場廃止のリスクがつきまとい、もしその場合には不労所得どころか、一切の収入がなくなります。社長をはじめとする役員データがどのようなものか、業務内容や売上の現状はどんなものかを事前に分析したり、もし倒産などが起きても対応ができるように、本業できちんと資金を安定して手に入れておいたり、貯金をしておいたり、リスクマネジメントは必要になります。また、様々な投資家の動向を分析してみるのもいいかもしれません。
スマホアプリの制作
最近になって出てきた不労所得の稼ぎ方として、スマホ用アプリを開発するという方法も挙げられます。アプリストアで自作のアプリを販売して、それに伴い収益を上げます。無料アプリであっても、アプリ内に表示される広告バナーが収益源になります。バナーがユーザーにタップされると、商品が購入されたことによる紹介料が支払われます。無料期間に人気を博したアプリは有料化したり、拡張機能を有料化してユーザーに購入させ、収益を上げたりしているものもあります。
アプリ開発に伴うメリットとしては、アプリの購入・使用だけで利益になるという点が挙げられるでしょう。さらに人気アプリになると、その分収入も増えますから、大きな可能性を秘めています。
一方デメリットを考えると、まず大企業のアプリとのせめぎ合いになることがポイントです。ゲームなど人気の分野は大企業も参入しており、厳しい戦いになることが予測されます。人気を博するようなアイデアを出せるかに大きく成功が左右されてしまう可能性もあります。
アプリのバグ・トラブル対応にも難しさがあります。アプリが市場に飽和してきている現状、迅速かつ誠実な対応をしないとユーザーはすぐに離れていくシビアな世界ですので、そうした臨機応変さは必要になってきます。
YouTuberとして動画配信で稼ぐ
近年注目されている人々が、動画コンテンツを作成し、YouTubeにて配信するYouTuber(ユーチューバー)です。
YouTubeを見ていると、動画の途中にGoogleが出稿している広告が表示されます。それをユーザーが見たりクリックしたりすると、その収益が動画配信者の収益に還元されるのです。また動画の再生回数それ自体によっても収益が生まれ、1回の再生でおよそ0.05〜0.1円くらいの収益になるのです。10000再生に到達できれば、500円から1000円くらいの収益が挙げられるということです。
動画配信のメリットとしては、やはり自分の好きなこと、趣味や特技を仕事にできる点です。やっていて楽しい、遊び感覚のままで、動画再生をされるだけで収益を上げられるのは他の方法にはない大きな魅力でしょう。
更に言えば、インフルエンサーとして活躍できる可能性を秘めています。自分の上げた斬新な動画が有名になれば、Twitterや各種メディアで一気に話題になり、動画配信以外の仕事が舞い込んでくる可能性も出てきます。トップユーチューバーのヒカキン氏やはじめしゃちょー氏などは、巧みなプレゼンや賑やかなキャラクターで人々から人気を博しメディアに出演するようになった典型例と言えるでしょう。
期待できるメリットが大きい分、他の方法では見られないデメリットも様々に存在します。まずは収益が発生するまで時間がかかるということ。有名になるまで、つまりユーザーに認知されるまでにはなかなか時間がかかり、それまでの収入はあまり見込めないところが難しい点です。
さらに、ここが問題なのですが、動画の撮影や作り方・編集作業に時間がかかるということです。撮影・動画編集の工数や機材の購入費を考えると、これはもはや働くことと同義で「不労」とは言えず意味はない、とする人も出てくるかもしれません。実際に、先ほど名前に触れたヒカキン氏は毎日動画を投稿していますが、そのために1日の大半を動画編集に費やしている様子が広く知られています。不労という目的を達成するために、結果的に大きな労力と労働時間を払う必要があるかもしれないのです。
もう一つ、動画が見られないと利益が出ないという基礎的な部分も挙げられます。たとえ動画を見てもらえたとしても、単体では広告費が安い場合もあり、1000回や10000回といった回数を人々に見てもらわないと、十分な額の収益を得ることができません。
アフィリエイターになり、ブログを運営
Webサイトを作成するアフィリエイターになって、広告収入を得るという方法もあります。サイト内にGoogleアドセンスやASPといった形で広告主のバナー広告を設置し、その広告がクリックされたり、商品が購入されたりすると収益が発生する仕組みです。
アフィリエイターとして収益を得るメリットは、初期費用が少ない点です。登録無料のブログサービスが現在は充実しており、それを利用すれば事前のお金は必要ありません。PCがあればどこでも作業ができるのも大きな魅力で、朝起きたばかりの家でも、通勤の電車の中でも、休日の出先のカフェでも、どこでも隙間時間に作業を積み重ねて収入を得ることができます。
考えられるデメリットとしては、Googleの検索結果で上位を獲得する必要があるという点です。つまりSEO対策の必要性があるということです。Googleは検索エンジンに独自のアルゴリズム(サイトの人気度や、情報の正確性、影響力の強さなどで測ると見込まれるが詳細は不明)を持っており、その変動によってエンジン内で検索した際に出てくるサイトの順位に上がり下がりが発生するようになっています。これがサイトへの流入にも影響してくるため、検索結果の上位を維持するための努力が必要になってきます。
また、検索結果で高順位として反映されるまでには時間がかかります。つまり、多くのユーザーへの認知には一定の時間がかかるということであり、地道で丹念な作業の継続が求められるのです。
不労所得で詐欺に合う事例も
「不労所得で生活できる」謳った詐欺もある
ここまで述べてきた不労所得は、その都合の良さから詐欺に使われる事例も存在します。例えば、不労所得のノウハウを高額で売りつけるビジネスが存在します。蓋を開けてみるとこのビジネスの内実は詐欺やマルチ商法であり、お金を払っても、何も得られないこともありますから、見極めが肝要です。
情報商材系には要注意
ネットワークビジネスやMLMなど、情報商材系には細心の注意を払いましょう。これはいわゆるマルチ商法につながり、自分の仲間となる販売員を増やしていくことで、その人の売り上げの一部を受け取れるという仕組みです。この仕組みにおいては売り上げが入ってこないなど様々な形で詐欺に遭う可能性が高いと言えます。
まとめ
今回は不労所得について宝くじを例にご紹介しました。
決まり事やポイントを押さえれば、どんな人にも本業以外の収入を得るチャンスがあるものの、確定申告や詐欺における注意点も押さえておく必要があります。メリットとリスクをきちんとどちらも理解して、余裕ある資金運用を行えれば、ちょっとしたお金持ち気分を味わえるような追加収入が得られること間違いなしです。
人生の中で限られた時間により価値を持たせるための日々の知見と行動は欠かさずにいきたいですね^^
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