【将棋タイトル】8大タイトル戦の仕組みと序列や賞金とは?

藤井聡太棋聖(18)が4連勝で王位を奪取し、18歳1カ月の史上最年少で二冠を達成しました。これまでの最年少2冠は、1992年9月に羽生善治九段(49)が達成した21歳11カ月。同時に八段に昇段し、加藤一二三九段(80)の八段昇段記録を62年ぶりに更新しました。

2018年に国民栄誉賞を受賞した羽生善治さんに続き、藤井二冠の活躍で盛り上がっている将棋界。ネットやテレビで取り上げられています。

では、「名人戦」や「竜王戦」などのタイトル戦についてご存知でしょうか?ニュースや新聞で一度は目にしたことのあるであろう「タイトル」と言う言葉について、今回はいろいろ調べてみました。

将棋界について

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プロ棋界とは?

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将棋界のプロには、現役・引退あわせて約200名の棋士がいます。
現在は男性しかいませんが、女性でも棋士になることは可能です。
また、女性のみで構成された女流棋士という制度もあります。

棋士になるには、奨励会という棋士養成機関に入ります。
奨励会には一定以下の年齢で、プロ棋士の推薦を受けた人のみが受験できます。

奨励会は6級から三段まであり、成績によって、6級→5級・・・1級→初段→二段→三段と上っていきます。
三段になると、年に2回の三段リーグを行い、原則としてそこでの上位2名が四段となります。四段から正式なプロ棋士となります。

プロ棋士になりますと、各プロ棋戦に出ることができます。
プロ棋戦は8つのタイトル戦と7つの公式棋戦があります。

将棋の「タイトル」とは?

現在、将棋のタイトルとは、スポンサーがついて賞金が出る大会のことでタイトルは8つあり、「8大タイトル」と呼ばれています。

主にプロ棋士は将棋界にある様々な棋戦で戦うことによってスポンサーから賞金などをもらい、生計を立てています。竜王戦なら読売新聞、NHK杯はNHKとなります。

8つの棋戦が「タイトル戦」とされ、各タイトル保持者と挑戦者が対局することで、そのタイトルの名前を呼び、勝つことでタイトルを獲得し、名乗ることができます。

タイトルの名乗り方

藤井二冠、21年春に三冠・九段も 全冠制覇は最速23年: 日本経済新聞

タイトル在位中は「九段」「八段」といった段位ではなく「名人」「竜王」といったタイトルを直接名乗ります。

タイトルを2つ以上取った場合は「二冠」「三冠」のような形になります。タイトルの数に応じて〇冠というように呼びます。

タイトル戦は基本的に保持者VS挑戦者の形で対局をします。タイトル戦の予選から挑戦者に勝ち上がった人は現在のタイトル保持者とタイトル戦の対局をする権利を得ます。定められた回数(五番勝負、もしくは七番勝負)対局をし、見事勝ち越すことができた場合は晴れてタイトル獲得となります。

タイトル戦は現役プロ棋士のほかにアマチュアの将棋ファンの注目が集まる将棋界の大イベントです。

タイトル戦はすべてで8つ、序列もある

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現在タイトル戦となっているのは「竜王戦」「名人戦」「叡王戦」「王位戦」「王座戦」「棋王戦」「王将戦」「棋聖戦」の8つです。

うち叡王戦は2017年にタイトル戦へ昇格した最も新しいタイトル戦です。

また、各タイトル戦の序列も定められており賞金の額で決められています。序列は並び順の通りです。竜王戦が一番序列が高く、後ろに行くほど序列が低くなっていきます。

中でも竜王戦と名人戦は歴史も長く別格のタイトルとして知られています。

また、竜王もしくは名人の在位者は他のタイトルを獲得していたとしても二冠、三冠とは呼ばずに「竜王(棋聖)」「名人(棋王)」「竜王・名人」のような形にするのが普通です。

永世称号について

定められた回数、そのタイトルを防衛すると「永世称号」が与えられます。永世称号は基本的には引退後に名乗るものですので、永世称号を引退後に名乗る権利を得るということです。

永世称号は各タイトルの最初に永世がついた形、竜王の永世称号は「永世竜王」、棋聖の永世称号は「永世棋聖」となります。

ちなみに王座戦のみ特殊で永世王座とは呼ばずに「名誉王座」と呼びます。

永世称号獲得の基準は各タイトルで違います。基準は以下の通りです。

・永世竜王:連続5期 または 通算7期

・永世名人:通算5期

・永世王位:連続5期 または 通算10期

・名誉王座:連続5期 または 通算10期

・永世棋王:連続5期

・永世王将:通算10期

・永世棋聖:通算5期

かなりハードルの高いな条件ですが、羽生さんはこの永世称号全てを取得しました。

各タイトル戦の仕組み

8つのタイトル戦の賞金額、スポンサー、予選の仕組みなどは全く違うシステムになっています。それぞれ順番に紹介していきます。

8大タイトルのタイトル戦、予選それぞれの仕組みと主催は以下の表の通りです。

 タイトル戦の仕組み予選の仕組み主催
竜王戦2日制 七番勝負1組から6組までの「竜王ランキング戦」を勝ち抜けた棋士が本戦に進み、本戦トーナメントの勝者が挑戦権を得る読売新聞
名人戦2日制 七番勝負順位戦のA級棋士の中での最多勝者が挑戦権を得る朝日新聞・毎日新聞
叡王戦1日制 七番勝負段位別予選を勝ち抜けた棋士が本戦に進み、本戦トーナメントの勝者が挑戦権を得るドワンゴ
王位戦2日制 七番勝負全棋士トーナメントを勝ち進んだ棋士が紅白リーグに進み、それぞれのチームの優勝者同士の挑戦者決定戦の勝者が挑戦権を得るブロック紙3社連合
王座戦1日制 五番勝負一次予選、二次予選、挑戦者決定トーナメントを経て勝ち抜いた棋士が挑戦権を得る日本経済新聞
棋王戦1日制 五番勝負予選を勝ち抜いた棋士が挑戦者決定トーナメントに進み、挑戦者決定トーナメントでも勝ち抜いた棋士が挑戦権を得る共同通信
王将戦2日制 七番勝負一次予選、二次予選、挑戦者決定トーナメントを経て勝ち抜いた棋士が挑戦権を得るスポニチ・毎日新聞
棋聖戦1日制 五番勝負一次予選、二次予選、挑戦者決定トーナメントを経て勝ち抜いた棋士が挑戦権を得る産経新聞

スケジュールと賞金について

8台タイトルの序列は賞金額で順番が決まっており、以下の通りです。

(一部推定額あり)

 時期賞金額と対局数主催
竜王戦10−12月4320万円*7番勝負読売新聞
名人戦4−7月2000万円*7番勝負毎日新聞・朝日新聞
叡王戦4−6月2000万円*7番勝負ドワンゴ
王位戦7−9月1000万円*7番勝負ブロック紙3社連合
王座戦9−10月800万円*5番勝負日本経済新聞
棋王戦2−3月600万円*5番勝負共同通信
王将戦1−3月300万円*7番勝負スポニチ・毎日新聞
棋聖戦6-7月300万円*5番勝負産経新聞

一番格式が高いのは、最も歴史が古い名人戦と、賞金額の高い竜王戦と言われています。

まとめ

将棋のタイトルはいかがでしたでしょうか?

取得のみならず、保持する難しさは素人には計り知れません。

今回藤井棋聖に敗れた木村王位が「ストレート負けは恥ずかしい限り。申し訳ないと思っています。また、やり直せと言うことでしょう。また、うちに帰って反省します」と非常に謙虚な言葉で述べられていました。

彼らの計り知れない日々の努力があってのことなのでしょう。一つのことを突き詰める大切さも大事にしていきたいですね^^

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