【料金相場】翻訳にかかる平均費用とは?翻訳の仕組みや単価を解説

一般文書やビジネス文書を翻訳してほしい、マニュアルを翻訳してほしい、ホームページを多言語化したいなど、ビジネスにおいて翻訳を依頼するシーンは少なくありません。

翻訳する言語も日英・英日のみならず、中国語や韓国語、ヨーロッパの各言語やアジアの各言語などさまざまです。

しかし、翻訳を外注する際にいくらかかってしまうのか不安という方も多いのではないでしょうか。適正な価格で依頼するためにも、費用の算出方法や平均的な費用を知っておきたいという方もいるでしょう。

今回は、翻訳にかかる費用の相場をはじめ、翻訳を外注する際の注意点などをご紹介します。

1.翻訳費用の算出方法

まずはじめに、翻訳の費用はどのように算出されるのかをチェックしていきましょう。

翻訳料金は文字数or単語数で算出される

基本的にどの翻訳会社であっても、翻訳にかかる時間や納品までの修正回数などは関係なく、翻訳する原稿の文字数、あるいは単語数を用いて費用が算出されます。

例えば日本語から英語に翻訳される場合には、日本語1文字あたり15円〜と単価が決められており、合計文字数で費用が決まります。一方英語から日本語への翻訳の場合には、英語の1単語あたり20円〜といった単価設定がされており、費用が算出されるということです。

なかには1文字あたりではなく100文字単位や200文字単位などで区切っている会社もあるなど、文字数・単語数の区切り方はさまざまであるということも頭に入れておきましょう。

また、400字詰め原稿用紙1枚あたり◯◯円~という会社や、A4用紙1枚あたり◯◯円~という料金設定の会社もありますが、基本的には文字数で算出される会社のほうが多いようです。

区切り方の違いに注意

文字数・単語数の区切り方はさまざまであると先に述べましたが、区切り方に惑わされずにどちらがリーズナブルなのかをきちんと判断できるようにしておきましょう。

例えば、日英翻訳は1文字20円と設定されているA社と、日英翻訳は100文字で1,800円と設定されているB社があった場合、20円×100文字=2,000円となるA社よりもB社のほうがリーズナブルということになります。

比較したい翻訳会社の文字数or単語数の区切り方が異なる場合には注意が必要です。

翻訳者のレベルに大きく左右される

翻訳を依頼する際に重要なポイントとして覚えておきたいのが、翻訳料金は翻訳者によって差が生じてしまうということ。翻訳会社の中には「エコノミー」・「スタンダード」・「プレミアム」などと翻訳者のレベルによって異なる料金プランを設定している会社も少なくありません。このような場合には、リーズナブルなプランともっとも高いプランでは倍近く費用がかかる場合も多いでしょう。

異なる料金プランを設定するのではなく、実績の豊富なベテラン翻訳者にしか依頼しないような翻訳会社もあります。医療や法律などといった専門的な翻訳に強い会社はこの傾向が強いと言えそうです。

翻訳者のレベルが高い場合には、もちろん翻訳費用は高くついてしまいます。しかし、だからといって翻訳者のレベルを下げて依頼してしまうと、使い物にならず結局翻訳し直しなんてこともあるかもしれません。

費用の無駄を発生させないためにも、どのくらいのレベルを求めるのかという点をきちんと考えておきましょう。

費目別に見る翻訳費用の相場

費目相場備考
翻訳料金20円〜/文字※言語により異なる
※ネイティブかどうかにも左右される
特急料金翻訳料金の20%~※12時間以内、24時間以内、1週間以内などの
期限に左右される
ネイティブチェック料金10円〜/文字※言語やスピードにも
左右される
※翻訳料金に含まれて
いる場合も多い
クロスチェック料金10円〜/文字※言語やスピードにも
左右される
※翻訳料金に含まれて
いる場合も多い
版下制作1万円〜※必要な場合のみ

続いて、費目別に翻訳料金の相場をチェックしていきましょう。

翻訳料金

まずは翻訳者による1次翻訳が行われます。費用相場としては1文字20円〜ですがこれはあくまでも目安で、もちろん翻訳する言語に左右されることをお忘れなく。最も翻訳機会が多いと考えられる英語の翻訳料金を1つの基準とすれば、中国語や韓国語などはそれに比べて安く、フランス語やドイツ語などといった欧州言語は英語や中国語よりも高くなります。

リソースの多さの問題ももちろんありますが、欧州言語では複数の単語がつながった結果1単語になっているケースも少なくないため、単語単価が高くなる傾向にあるようです。

また、ネイティブによる翻訳なのかそうではないのかという点でも費用が左右されます。

特急料金

これは必要な場合のみにかかる料金ですが、「1週間以内で絶対に仕上げてほしい」などいった場合には特急料金を支払う必要があります。基本的には通常の翻訳料金の20%割り増しと考えておくといいでしょう。

なかには「12時間で納品可能」「24時間以内に納品可能」というスピーディさが魅力の翻訳会社も少なくありません。しかしそのような場合には通常料金の50%~100%割り増しとなることもあるので、費用を抑えたい場合にはできるだけスケジュールに余裕をもって翻訳を依頼しましょう。

ネイティブチェック料金

会社やプランによってもともと翻訳料金に含まれている場合もありますが、ネイティブによる翻訳チェックを依頼する場合には別途料金がかかることが多いようです。大体1文字10円〜、少し高い翻訳会社の場合は15円〜の場合もあります。翻訳者に対しネイティブチェッカーが1人の場合もあれば、ネイティブチェッカーが2人体制でよりブラッシュアップを図る会社も少なくありません。

「最初からネイティブに依頼していれば、ネイティブチェックは必要ないのでは?」と言う方もいるかもしれませんが、翻訳者がネイティブであるのか否かに関わらずネイティブチェックは必ず挟むべきフローです。第三者のチェックを通すことでより自然な文章となり、クオリティが高くなります。

翻訳する業態によっても専門用語の使い方もありますので、どの分野のプロフェッショナルなのかも合わせて確認をしていく必要があります。

翻訳料金が安い会社や、リーズナブルなプランを選んだ場合には、”訳しっぱなし”でチェックはしないという場合も少なくありません。費用は少しかさんでしまうかもしれませんが、チェック体制が整っている会社やプランを選ぶことが翻訳の精度の高さにつながるでしょう。

クロスチェック料金

ネイティブチェックと内容は似ていますが、スペルミスや誤訳、翻訳漏れなどがないかチェックするのがクロスチェックです。翻訳料金に含まれている場合とオプションの場合がありますが、ネイティブチェック同様1文字10円〜依頼できます。リーズナブルな会社の場合、通常の文字単価+5円という会社もあるようです。

ネイティブチェックのみで完了の会社もあれば、ネイティブチェックのあとにクロスチェックも行う会社もあるなどさまざまなので、クオリティ面を重視したいという場合には後者のような翻訳会社を選ぶといいでしょう。

版下作成料金

これは必要な場合のみ依頼するものですが、各種グラフィックデザイン(パンフレットや会社案内など)における翻訳を依頼する場合、デザインへ翻訳したテキストを流し込み、レイアウトを整えるなどといったDTP作業をまとめて依頼できる会社もあります。1ページにつき1万円〜が相場ですが、A4やA3、WEBページといったサイズなどにも左右されるでしょう。

もちろん対応している翻訳会社とそうではない会社があるため、まとめて依頼したい場合には注意しましょう。

その他の費用例:ミニマムチャージ

翻訳会社のなかには、ミニマムチャージが設定されているところも少なくありません。ミニマムチャージとは、翻訳サービスを利用する際の最低料金のこと。たとえばミニマムチャージが1万円だった場合には、テキストが短く文字単価で算出すれば1万円未満だったとしても、請求は1万円となるということです。

これまでの費目別の翻訳費用を読んでいただいた方はお分かりかと思いますが、翻訳は翻訳者のみが関わる作業ではありません。ネイティブチェッカーやプルーフリーダーなどの人件費もあるため、テキストが短い場合に通常の翻訳料金で対応してしまうと、まったく割に合わないでしょう。そのために設定されているのがミニマムチャージなのです。

【ここだけは押さえておきたいポイント】

  • どんな翻訳者に依頼するのかで差が出る
  • 取り扱う言語で費用に差が出る
  • 短納期対応やネイティブチェックなども費用がプラスされる
  • テキストが短い場合でもミニマムチャージが設定されていることが多いので注意

2.言語別に見る翻訳費用の相場

翻訳にかかる費用は取り扱う言語によっても左右されると先に述べましたが、それではそれぞれの言語によってどのくらい料金の差があるのでしょうか?1つずつチェックしていきましょう。

翻訳の種類相場
日→英12〜25円/文字
英→日15〜30円/単語
日→中12〜20円/文字
中→日12~25円/文字
日→韓10~20円/文字
韓→日12~25円/文字
日→独15~25円/文字
独→日20~30円/単語
日→仏15~25円/文字
仏→日20~25円/単語
日→伊15~25円/文字
伊→日25~23円/単語

英語

日本語から英語へと翻訳する場合には1文字あたり12円〜で、英語から日本語へと翻訳する場合には1単語当たり15円〜で依頼することが可能です。

ただし最安値による翻訳精度に不安を覚える顧客が多いことから、相場としてはいづれも1文字あたり15〜20円程度が相場のようです。

中国語、韓国語

どちらも日本語からの翻訳の場合には1文字あたり10円〜、日本語への翻訳の場合には12円〜かかるようです。

あくまでも目安なので要注意

今回は簡単にそれぞれの言語別の費用相場をご紹介しましたが、先にも述べたようにどんな翻訳者に依頼するのか、ネイティブかどの専門分野が得意かなど、これまでの経験やスキルに左右されるだけでなく、文章量や難易度でも大きく変動します。

先ほど「テキストが短い場合にはミニマムチャージが発生する」と述べましたが、逆に翻訳する文章量が多い場合にはボリュームディスカウントが効く場合も少なくありません。多く依頼すればするほど、1文字の単価が落ちていくのです。

一方、医療系や法務系などといった専門的な文書の場合や、一般文書ではなくビジネス文書などの場合、難易度が上がるとともに費用も高くなります。

さまざまな状況によって費用相場は変動するということを頭に入れておきましょう。

【ここだけは押さえておきたいポイント】

  • ヨーロッパ諸言語は少し翻訳費用が高いので注意
  • マイナー言語は費用が高くなるので注意
  • 専門的な分野を依頼する際にも費用は高くなるので注意

3.分野別の翻訳料金のめやす(翻訳会社)

実際の業界団体の料金表をご紹介します。

分野別の発注料金の目安

翻訳分野英文和訳和文英訳
特許明細書26円30円
コンピューターマニュアル28円20円
一般科学・工業技術28円21円
金融30円28円
経営管理・財務・契約書30円25円
医学・医療・薬学35円30円

【ビジネス分野】 日英翻訳料金の原文基準の価格帯(日本語1文字)

価格帯割合
9円未満7.3%
9~10円4.8%
11~12円12.1%
13~14円24.2%
15~16円19.4%
17~18円7.3%
19~20円7.3%
21~22円8.1%
23円以上9.7%

※出典:日本翻訳連盟『2017年度翻訳白書(第5回業界調査報告書)』

4.翻訳の依頼で失敗しないためには

翻訳を依頼する際に注意しておきたいポイントは、あまり費用の安さや納品スピードの速さばかりを重視しすぎないということ。格安だからといって依頼してみても、「機械翻訳のような仕上がりだった」「スペルミスも多く使い物にならない」など、結局違う翻訳会社に依頼しなおさなければならない場合も少なくありません。

また、「12時間で納品可能」などと超短納期に対応している会社の中には、ネイティブチェックやクロスチェックなどを行っていない会社もあります。

リーズナブルであっても、あるいは納品がスピーディであってもクオリティが保たれている会社もありますが、安易に安さや速さだけで依頼先を決めないことが失敗しないために重要です。事前に無料トライアル翻訳を活用したり、これまでの翻訳実績などを確認したりして信頼できる会社に依頼することをおすすめします。

まとめ

今回は、翻訳を依頼する際にかかる費用や、依頼する際の注意点などをご紹介してきました。

翻訳と一口に言っても料金はさまざまで、特急料金やネイティブチェック料金などのオプション料金が発生する場合もあります。どのくらいのクオリティで、専門分野は何なのか?納期はいつまでを希望するのかをきちんと整理した上で会社を探すといいでしょう。

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