括弧(かっこ)の種類と正しい使い方とは?

括弧(カッコ)という単語を分解すると以下の通りです。

・括(かつ):くくる、まとめる。  

・弧(こ):木の弓や形状。曲線のつながった一部分

括弧の種類や意味は、文章に関係はあるものの、補足的な意味あいが強いことから、「なんとなく」で使用している人が多いのではないでしょうか。

括弧の種類や使用方法を勉強すれば、文章が読みやすくなるだけでなく、文章に箔(はく)がつきます。

実際に組んだ例も交えて紹介していきますので、是非この機会に括弧の種類と、正しい使い方と組み方の基本を学んでいきましょう。

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括弧の種類は? 括弧類とは?

最初に、括弧には「カギ括弧・二重カギ括弧・墨付き括弧」等、様々な括弧があります。これらを総称して「括弧類」と呼ばれています。

和文と欧文でルールが異なります

和文と欧文で括弧の使い方や、使える括弧のルールが異なります。和文のみ、欧文のみ使用できる括弧もありますので注意が必要です。

括弧類の紹介

「  」「  」は、かぎ括弧と呼ばれ、文章では会話を表現する為に使用されています。引用や、タイトル名・作品名を示す際や、強調する際にも使用される、使用頻度の高い括弧です。

『  』『  』は、二重かぎ括弧と呼ばれ、かぎ括弧(1重)の中で使用したり、タイトル名・作品名を表記する際、又強調する際に使用します。

【  】【  】は、隅付き括弧・隅付きパーレン・墨付き括弧と呼ばれ、強調したいとき、目立たせたい場合に使用します。(  )(  )は、丸括弧・パーレンと呼ばれ、漢字・英語の読み方や、内容の解説に使用されます。和文本文組みの時は半角ではなく、全角を使用します。

〔  〕〔  〕は、亀甲括弧(きっこうかっこ)・亀の子括弧と呼ばれ、主に縦組みの際に使用される機会が多いです。

{  }{  }は、ブレース、波括弧、中括弧と呼ばれています。和文本文組みでは使用頻度は高くないですが、見出しのアクセント・強調としても使用されています。

[  ][  ]は、ブラケット、角括弧、大括弧と呼ばれ、横組みで使用されます。書体(フォント)には全角・半角あります。和文本文組みの時は全角を使用します。

〈  〉〈  〉は、山括弧と呼ばれ、基本的には強調する時、引用を指し示す際に使用されます。

括弧類の使用目的とは?

これらの様々の括弧類はもちろん文章の中で目的を持って使用される事になっています。「見出し・タイトル」や「本文組み」において「意味合い」や「強調」を目的とした場合の括弧の使い方は重要です。文章の内容に応じて括弧類を使い分け「約物」を正しく組めるよう、続いては、各括弧類の目的や使用方法の注意点をみていきます。

1. かぎ括弧の使い方の注意点

文章では会話を表現する為に使用されています。引用や、タイトル名・作品名を示す際や、強調する際にも使用される、使用頻度の高い括弧です。基本的な括弧になりますので、使用頻度は高く、慣れ親しんでいる括弧ですので、特に問題無いと思います。

2. 二重かぎ括弧の使い方の注意点

括弧類の中で使用方法のルールが少しだけ複雑なのが『二重かぎ括弧』です。『二重かぎ括弧』の使用目的は次の3つとなります。

  • 「かぎ括弧」の中に「かぎ括弧」を入れ子にする場合
  • タイトル名や作品名を表示する時(入れ子では無い)
  • 文章の中である特定の言葉を強調する時(入れ子では無い)

二重かぎ括弧を使用する例の紹介

1. 会話文の中に他人の言葉を引用する場合

  • 「フォリビーさんが、『来月、新サービスをリリース』と伝えていた。」

かぎ括弧の中にかぎ括弧を入れ子にする場合、会話には「かぎ括弧」を使用し、引用する言葉や文章には「二重かぎ括弧」を使います。「外側に二重かぎ括弧・内側にかぎ括弧」を使用している場合は、修正が必要です。

2. 作品名やタイトル名に使用する場合

  • 「リベラルアーツの杜」は『Twitter』にも掲載されています。

個々の作品名やタイトル名には「かぎ括弧」。
単行本・雑誌・新聞・Webサイト等の名前・題名には「二重かぎ括弧」を使います。
微妙な意味合いの差を二重かぎ括弧とかぎ括弧で表現しています。

3. 強調する時に使用する場合

  • フォリビーの採用情報は『オフィシャル採用サイト』にて更新されています。

文章の中で、強調したい部分を二重かぎ括弧で囲います。

3. 隅付き括弧の使い方の注意点

隅付き括弧もよく目にする、使用頻度の高い括弧になります。使い方は強調する際、頻繁に使用されます。文章の中に一般的なかぎ括弧や二重かぎ括弧を使用しますが、さらにそれとは違った目的で強調させたり、目立たせたりする際に使います。

辞書や辞典での組版がポイント

隅付き括弧は、辞書や辞典では「平仮名」の後ろに漢字を表記する際に使用されています。隅付き括弧は特に目立つ括弧ですので視線(目)が止まりやすく、文字の多い辞書や辞典では、視線誘導の役目を担わす目的でも使用されています。

隅付き括弧の組版例

【リベラルアーツの杜】

4. 丸かっこ・パーレンの使い方の注意点

丸かっこ・パーレンは、主に補足説明で使用されます。縦組み・横組みいずれにも用いられる使用頻度の高い括弧です。皆さんも馴染みのある括弧だと思います。

丸括弧の組版例

リベラルアーツの杜(2020年開始)

5. 亀甲括弧の使い方の注意点

〔  〕は、本来は主に縦組みの際に、引用の補足・強調を目的として使用します。横組みの際は、亀甲括弧を使用せず、「ブラケット・大括弧」を使用するのがセオリーでした。

亀甲括弧の組版例

〔リベラルアーツの杜〕は自分らしく快適な時間をライフスタイル、、、

6. ブレース、波括弧、中括弧の使い方の注意点

基本的に[  ]の「ブラケット、角括弧、大括弧」と、(  )の「丸括弧・パーレン」を2つ使用して、さらに括弧を本文に追加したい時に、{  }の「ブレース、波括弧、中括弧」を使用します。優先順位として3番目にあたる括弧です。

単独で、ブレース、波括弧、中括弧の使う時は、単位系の異なる数値を併記するときに使用します。

  • 30℃ {22°C}

7. ブラケット・角括弧・大括弧の使い方の注意点

使用頻度はそんなに高くないのですが「ブラケット・角括弧・大括弧」は、基本的には下の3つのも目的の為に使用します。

ブラケット・角括弧・大括弧の使用目的

  • 丸括弧の中にさらに括弧を入れ子にする場合
  • 引用部分に補足説明を入れたい場合
  • 強調する際

1. 丸括弧の中にさらに括弧を入れ子にした例文

丸括弧の中にさらに括弧を入れ子にする際は、下記の例のように、外側に「ブラケット・角括弧・大括弧」を使用し、中の説明文を「丸括弧・パーレン」を使用します。

組版例

[フォリビー(ナマケモノの生活)]

8. 山括弧の使い方の注意点

山括弧は一般的に強調したい箇所や小見出し、タイトルで使用されます。又「引用」した際にも使用されます。一点だけ注意点があり、山括弧は「〈  〉」の文字を使用しますが、数式等で頻繁に用いられる、不等記号と呼ばれる「<  >」が混在しないように注意する必要があります。

グラフィックデザインの組版例

<リベラルアーツの杜>は毎日更新されています。

まとめ

様々な括弧の使い方や意味合いがありましたのでご紹介してみました。

この様な「細かい所」が文章の読みやすさを分ける指標となりますので、相手にとって見やすさや快適さを伝える文章を作る上で、大切なことです。

正しい括弧の知識をマスターして読みやすい価値のあるコトバを作っていきましょうね^^

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