【人事必見】在宅勤務とは?メリット・デメリットを調査結果から解説

新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が当たり前になりつつあります。これまで会社や社外で実施していたオフラインでの業務やイベントも自宅で実施せざるを得ない状況となっています。

5月25日の緊急事態宣言の解除以降、どれくらいの企業がリモートワークを行っているのでしょうか?今回、IT業界の社員を対象にした「新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う勤務形態の変化」をテーマにした調査が実施されましたので、データを元に、メリットとデメリットを解説したいと思います。

この記事をご覧いただいている人事の方もぜひ自社と比較していただければと思います。

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ほぼ9割の企業で在宅勤務をスタート

「2020年5月までに在宅勤務はありましたか?」という問いに対し、全体の86.8%の企業が「実施があった 」と回答しています。在宅勤務を実施した企業のうち80.4%が今年の4月から、早い企業では1月以前から在宅勤務を実施していることがわかりました。

在宅勤務のメリットとは?

「在宅勤務で良かった点はありましたか?」の質問に対しては、「移動する手間や時間が不要」と回答した人は89.1%と一位。「ウイルス感染のリスクが抑えられた点 」と回答した人は81.5%で二位。「自分のペースで仕事がしやすい点」と回答した人は56.5%と三位となっています。

通勤や移動におけるコスト削減

在宅勤務を導入することで、社員がわざわざオフィスに交通費をかけて行く必要がないので、通勤や移動にかかるコストを削減できます。

会社のオフィスで働く人のなかには、満員電車や長距離移動等で、通勤に関して肉体的な疲労や精神的なストレスを感じている人もいるでしょう。在宅勤務の場合、基本的にはオフィスに出社する必要がなくなります。そのため、通勤や移動による肉体的・精神的な負荷を軽減でき、結果的に企業の生産性向上にも寄与します。

業務効率や生産性が高まる

会社のオフィス勤務で働いている場合には、予定外の打ち合わせや会議、顧客からの連絡などで業務が中断されてしまうことが多々あります。そうなると、集中して業務に取り組めません。

在宅勤務ではこうした中断を減らせます。業務を遂行する集中力を高く維持でき、業務効率や生産性の向上につながるでしょう。

良質な人材を確保できる

在宅勤務制度は、労働時間短縮制度などと組み合わせて利用できます。育児期間中の社員や、介護が必要な家族がいる社員が利用することで、出社準備や通勤に利用していた時間を業務や家族の看病に充てられます。

社員によっては育児や介護のために退職や転職をすることなく働き続けることができ、企業にとっても経験豊富な人員を失うことがなくなるので、新たな人材確保の負担や、コストを削減できます。

また、柔軟な働き方を積極的に取り入れる企業はワークライフバランスを重視する人に評価されます。企業のアピールポイントになるでしょう。

在宅勤務のデメリットとは?

「在宅勤務で悪かった点はありましたか?」と質問したところ、「FAXやモニターなどの会社にある機材が使えない点 」と回答した人は38%で一位。「疲れが溜まる点 」と回答した人は32.6%で二位。「コミュニケーションが取りづらい点、無駄なコミュニケーションが増えた点 」と回答した人は29.3%と三位でした。

勤務時間とプライベートの線引き

在宅勤務は自宅で仕事をするという性質上、仕事とプライベートの明確な線引きが曖昧になってしまうケースも少なくありません。家事などの合間に仕事をする場合に、都度準備や集中するために時間がかかってしまうと、時間の無駄になり、結果として夜遅くまで仕事をするなど長時間労働につながることも考えられます。

正当な評価を受けられない場合がある

在宅勤務では、会社や上司が自宅で働く社員の業務の進捗を直接見れせん。そうなると、オフィスで勤務するときと違って、仕事の結果や成果物だけで評価をされることが考えられます。

業務上のコミュニケーション不足が生じる

在宅勤務では、インターネットのアプリケーションや携帯電話で会社と連絡は取れますが、上司や同僚と直接顔を合わせて仕事をすることはほとんどなくなってしまいます。その結果、業務上でのコミュニケーションが滞ったり、コミュニケーション不足が生じる可能性があります。

会社のオフィスで顔を合わせていると、同僚、上司の雰囲気や様子からお互いの業務の進捗、優先度だけでなく、モチベーションの変化も察知できることが多々あります。しかし同じオフィス内にいない在宅勤務の社員では、この共有が難しくなります。これはモバイルワークやサテライトオフィスで働く場合にも共通している問題点です。

勤怠管理が複雑化する

在宅勤務の最大の問題点は、「いつ働いているのか」がわかりにくいという点です。勤務時間とプライベートの線引が曖昧になるということは、それだけ勤怠管理も曖昧になってしまうということです。在宅管理における勤怠管理は通常の場合に比べて大きく異なりますから、それを適応させるだけのコストがかかってしまいます。

今後も8割の企業で在宅継続

「2020年6月以降は在宅勤務の予定ですか?」という問いに対し、全体の47.2%が「在宅勤務と出勤の組み合わせ」で、28.3%が「基本的に在宅勤務 」、残りの24.5%が通常出勤という回答となりました。

会社員の7割以上が在宅勤務を希望

「6月以降、会社の方針関係なく在宅勤務をしたいですか?」という問いに対し、全体の74.5%の人が「在宅勤務をしたい」と回答しています。

在宅勤務を導入する時のポイント

在宅勤務を導入する際は、いくつかのポイントがあります。在宅勤務を導入した際に問題を起こさないためにも、ルールの設置とが必要です。

評価方法を明確にする

在宅勤務をする社員が不当な評価を受けてしまうことを避けるためには上司などと業務成果の目標や評価方法を十分に話しておくことが大切です。そうしないと、在宅勤務の社員とオフィス勤務の社員との間に不平等が生まれる可能性があります。

こまめに情報共有する

在宅勤務を導入する場合には、暗黙の了解や雰囲気で仕事を進めるということが無いように特に注意し、オフィスワーカーと在宅ワーカーの間で情報の格差や温度差がなるべく生じないように配慮しましょう。

手軽に情報共有を行う効果的な方法としては、ビジネスチャットツールやグループウェアなどでの情報共有がおすすめです。

部分在宅勤務を活用する

在宅勤務の中には終日を自宅で作業するのではなく、一日の勤務時間のうちで一部を自宅でする「部分在宅勤務」という働き方もあります。一時的に会社のオフィスに出勤したり顧客訪問など外出したりする点で、終日の在宅勤務とは異なります。

勤怠管理を徹底する

勤務時間とプライベートの線引を明確にするためには、自宅内に集中できるスペースを設けたり、在宅勤務について家族の理解を求めるなど、社員の側でもメリハリをつけて仕事をできる環境作りが必要です。

会社としても日々の勤務開始と終了について確認し、勤怠管理を徹底することが大切です。

まとめ

コロナ禍で急速に普及したリモートワーク。今回の調査では、デスクワーク主体のIT企業が対象でしたが、かなりの比率で在宅勤務が浸透しており、今後も在宅勤務が継続されることがわかりました。

また、多くの方が通勤の手間や時間の削減にメリットを感じている一方で、ハード面の不備やコミュニケーションと言ったをデメリットに感じている声もありました。つまり、在宅用の設備の購入や福利厚生などによる支援が進めば、今後在宅勤務をベースとした勤務形態を希望する人が更に増えていくことが考えられます。

在宅勤務が加速すれば、育児や介護に追われている社員や遠方在住の社員でも働けます。そして在宅勤務を成功させるためには、企業側が今回紹介したような「勤怠管理」、「評価基準の明確化」、「情報共有」に注意しながら、必要なルール作りを整備が必要です。

お互いの協力により、より快適で自由な時間創造ができるといいですね^^

■調査概要
調査対象:会社規模10人〜1000人規模のIT企業の社員106人

※以下内訳
10人以下:11人
11〜100人:34人
101〜500人:29人
501〜1000人:14人
1001〜5000人:10人
5001名以上:8人

調査方法:インターネット調査
調査時期:2020年6月4日〜2020年6月11日
設問数:9問(回答内容によって異なる)

出典元:キラメックス株式会社

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