【注意喚起】Instagram・Facebookでフォロー・いいね・コメントを促したプレゼントキャンペーンがガイドライン違反に

20年12月20日からInstagramのプレゼントキャンペーンに関して、Facebook社のガイドラインに変更がありました。フォロー・いいね・コメントなどのアクションを促し、その対価を提供することがガイドライン違反となります。そのためInstagramキャンペーンを実施している企業は、すぐに対応が必要な内容になっています。

InstagramやFacebook、Twitterを活用したキャンペーンは、拡散効果が期待でき、Web広告よりも低予算でユーザーに情報を届けることができるため、採用する企業が増えています。
一方でSNSキャンペーンは他のキャンペーンと比べて手間をかけずに実施できますが、一方で、各プラットフォームにはガイドラインやルールがあり、違反するとアカウントの利用が停止されることもあります。

今回は、Instagram・Facebook・Twitterでキャンペーンを行う際に気をつけるポイントやキャンペーンの手順、ツールを利用した効率的な実施方法などをご紹介します。

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キャンペーン実施前に確認すべきガイドライン

SNSキャンペーンをする前に読みたい!気をつけるポイントと活用事例 ...

Instagram・Facebook・Twitterを利用してキャンペーンを行う場合は、それぞれのガイドラインや利用規約を必ず確認するようにしましょう。
記事公開時点でガイドライン等に記載されている事項をご紹介します。

Instagramのガイドライン

フォロワー獲得や販促に!】Instagramキャンペーンの実例や注意点 ...

Instagramのキャンペーンには、自社ブランドの認知拡大やクチコミの増加を狙ってユーザーに投稿を促す「#(ハッシュタグ)キャンペーン」や、指定の画像をリポストする「リポスト投稿」キャンペーンなどがあります。

Instagramには、プロモーションガイドラインがあり、以下のことを禁止事項として定めています。

  • コンテンツに誤ったタグを付けない
    ガイドラインでは、「コンテンツに誤ったタグを付けたり、そうするように他の利用者を仕向けること」を禁止しています。例えば、利用者が写っていない写真に、利用者自身をタグ付けするのを条件とするようなキャンペーンは、ルール違反となります。

また、Instagramのコミュニティガイドラインでは、以下のことが禁止されています。

  • いいねやフォロー、コメントなどに対して景品を提供すること
    コミュニティガイドラインには、「「いいね!」やフォロー、コメント、その他の関わりの見返りとして現金や現金に相当する景品の提供を申し出ることは、禁じられています。」と明記されています。このため、よく実施されている「フォロー&いいねキャンペーン」や「フォロー&コメントキャンペーン」はガイドラインに違反していると考えられます。

そもそも、InstagramやFacebookでは、インセンティブを与えて、無作為にエンゲージメントを増やす行為は推奨されていません。これらはエンゲージメントベイトと呼ばれ、ページや投稿の表示順位を下げる原因となってしまいます。キャンペーンの応募条件がエンゲージメントベイトになっていないか、必ず確認するようにしてください。

インセンティブ付きのキャンペーンがガイドライン違反に

SNSへの誹謗中傷を削除してもらう違反報告ページまとめ-エムタメ!

Instagramはこれまで、インセンティブ付きのキャンペーンを実質的に黙認していました。

しかし、今回の変更で「フォロー・いいね・コメントなどのアクションを促し、その対価を提供すること」がガイドライン違反になりました。

画像1

上記のガイドラインでは、すべてのInstagramキャンペーンが禁止になったわけではなく、あくまでユーザーページ内における「フォロー・いいね・コメントなどの見返りとして景品等を提供するキャンペーン」のみが禁止の対象となっています。

例えば、よくある「フォロー&いいねしてくれた方の中から抽選で10名様に商品をプレゼント」のようなキャンペーンは今後はできません。

一方で、相手先ページ内で「当社の商品や写真をタグ付きで投稿してくださった方の中から、特に素敵なお写真やコメントを投稿してくださった方に商品をプレゼント」のようなキャンペーンは、フォローしてもらうことに対して直接的に景品を提供しているわけではないのでガイドライン違反ではない、とも捉えられます。

ガイドラインでは「有意義で純粋なやり取りを大切にしてください」と定められているので、例えキャンペーンであっても、フォロワーやエンゲージメントの獲得自体が目的でなく、ユーザーとのコミュニケーションを主目的としたキャンペーンであれば容認される可能性があります。

もっとも、判断はFacebook社に委ねられているので、不安要素がある場合には実施はおすすめしません。

補足ですが、一般的にはフィード投稿に写っている人物につけるのが「タグ」、期間限定の投稿であるストーリーに写っている人物につけるのが「メンション」です。また、よく間違われるのが「#」に続けて文字を入力する「ハッシュタグ」ですが、これはまったくの別物です。

ハッシュタグは、投稿を様々なキーワードでカテゴライズして検索しやすくするために付けるタグを指します。自分の投稿を多くの人に見てもらったり、好きな投稿を見つけたり、といった用途で使われます。

なぜインセンティブ付きキャンペーンは禁止に?

インスタグラム】コミュニティガイドラインに基づいた安全な運用方法 ...

この変更の背景は、Instagramがこちらも先日改訂したヘルプセンターのテキストから読み取ることができます。

画像2

Instagramヘルプセンターhelp.instagram.com

要約すると、「キャンペーンに関する投稿はユーザーが嫌うコンテンツのため、コミュニティ品質向上の観点から表示を制限する」と明記しています。よって、今回のガイドライン変更も同様に、キャンペーン関連の投稿を抑制するためのものだと思われます。

ガイドライン違反にあたるからといってすぐにアカウント停止の可能性があるとは思えませんが、リスクは大きいです。該当する投稿を実施中・実施予定の場合は、即刻対応が必要です。

インフルエンサーなどのPR投稿にもルールが制定される

InstagramにおけるPR投稿について、Facebook社が新たなルールを制定することが決まりました。

2021年6月までに、ユーザーが企業などからインセンティブを受け取った「PR投稿」には、その「Paid partnership」を明示することが義務化されます。

具体的な整備は段階的に進められると思われますが、これによりステルスマーケティングに対してFacebook社が公式に規制する姿勢を見せたということになります。

日本では「#PR」で企業案件であることを告知するが通例でしたが、「#PR」の認知度は実は50%程度です。これでは「#PR」を付けようが実質的なステルスマーケティング状態ですから、プラットフォーム側が対策を打ち出したのも当然と言えます。

ちなみに、YouTubeの場合、既に企業案件(スポンサードコンテンツ)の申告義務があります。

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対価を受け取ってスポンサーのために動画を公開した際には、それをYouTubeに報告しなければなりません。SNSを活用したマーケティングが一般化し、消費者側と企業側で情報格差が大きくなってきています。より健全なプラットフォーム運営のために、ルールが必要になったということでしょう。

「SNSは広告媒体ではない」というメッセージ

SNSガイドラインのポイントを【事例】から読み解く! | 株式会社 N2P

本来、SNSというのは「誰かと誰か」あるいは「誰かと何か」が互いの相性や共通点などを確かめ、繋がりをつくり、より良い生活を実現していくためのプラットフォームです。

Instagramのブランドミッションは「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」です。Instagramがユーザーの自然なエンゲージメントに基づいてアルゴリズムを設計しているのは、それがInstagramの目指す未来を実現するための方法だからに過ぎません。
Instagramはマーケティングチャネルである以前に、コミュニケーションのためのプラットフォームなのです。

インセンティブ付きのキャンペーンやステルスマーケティングは、確かに簡単にエンゲージメントを獲得することができる手段です。しかし、短期的な数値改善は達成されても、それによってブランドの価値が向上するわけではないことを理解しておかなければなりません。

キャンペーンやインフルエンサーはあくまでオプションで、基本となるのはオーガニック運用と、そこでのエンゲージメント獲得であることを再認識する必要があるでしょう。

Facebookのガイドライン

Facebook、違反の判断基準を明らかに--コンテンツ監視ガイドラインを ...

Facebookキャンペーンでは、投稿へのコメントを応募条件とするキャンペーンが主流です。コメントが増えることでフォロワー以外のユーザーに届く可能性も高まりますが、どちらかというと、フォロワーとの絆を深める、エンゲージメントを高める効果があります。Facebookにもシェア機能はあるものの、キャンペーンの応募条件にすることは認められていません。以下で詳しく説明します。

Facebookのページ、グループ、イベントに関するポリシー(ページ、グループおよびイベントでのプロモーション)には、以下の記述があります。

  • ユーザーのタイムラインを使うことは禁止

  • Facebookのポリシーには「個人のタイムラインおよび友達のつながりをプロモーションの運営に
  • 使用することはできません。」と明記されており、ユーザーがキャンペーンに参加する条件とし
  • て、「タイムラインでシェアして参加」、「友達のタイムラインでシェアしてさらに抽選枠を獲
  • 得」、「この投稿に友達をタグ付けして参加」することを禁止しています。

また、FacebookもInstagramと同様にエンゲージメントを意図的に獲得するエンゲージメントベイトは、ページやコンテンツの評価を下げる原因となるため、注意が必要です。

Twitterのガイドライン

Twitterのブランドリソース

Twitter上で行われるキャンペーンは、「フォロー&リツイート」「指定のハッシュタグをつけてツイート」を応募条件とすることが多く、自社アカウントのフォロー数を増やすことができ、Twitterユーザーへの拡散も期待できます。

また、主催者側も応募ツイートを作るだけで開始できるので、手間がかからない点もメリットです。

Twitter社は、キャンペーンの実施についてのガイドラインとして、以下のルールを定めています。

  • 複数アカウントを作成させない
  • 当選確率を上げるため複数のアカウントを作るユーザーもいますが、Twitter社は複数アカウント
  • の作成を禁止しており、違反すると全てのアカウントが凍結され、応募資格を失うことになりま
  • す。キャンペーンの応募要項には、注意事項としてこの旨を明記するようにしましょう。
  • 繰り返し同じツイートをさせない
  • 全く同じ、または、ほぼ同じ内容のテキストやリンクを何度も投稿することは禁止されていま
  • す。主催者側は、「応募は1日1回まで」などの条件を提示するほか、「一番多くリツイートした
  • 方に賞品提供」など、複数投稿を促すような条件を設定しないようにします。
  • 主催者の@ユーザー名を含めてツイートしてもらう
  • 当選者を決めるには、すべての応募者を確認する必要があります。ハッシュタグだけでは全応募
  • ツイートを確認することはできないため、投稿にキャンペーン主催者の@ユーザー名を含めるよ
  • う条件付けをしましょう。
  • キャンペーンの話題やハッシュタグを盛り込むよう推奨する
  • 関連する「#キャンペーン名」や「#企業名」などをツイートに含めてもらうことで、応募者の見
  • 落としを防ぐことになります。ただし、全く関係のない内容のツイートにこれらを追加するよう
  • に推奨すると、ルール違反となる可能性があります。

また、キャンペーン開始前にTwitterルール検索のベストプラクティスにも目を通しておくようにしてください。

キャンペーンの実施方法

SNSキャンペーンを実施しよう!事例や成功ポイントなどをご紹介 ...

Instagram・Facebook・Twitterともに、キャンペーンを実施するにあたっての流れに大きな違いはありません。ここから具体的なフローを説明していきます。

1.応募要項を準備する

最初に、キャンペーンの応募要項を作成します。
応募要項に記載が必要な項目は、主に以下の通りです。キャンペーン内容に合わせて用意するようにしてください。

  • ポイント
    • 応募期間
    • 応募方法
    • 景品と当選者数
    • 当選発表方法と当選発表日のおおよその目安
    • 賞品発送日のおおよその目安
    • 応募条件:当選発表日にアカウントをフォローしていることや国内在住であることなど
      • (必要に応じて)応募はおひとり様1回のみ有効であること
    • 応募を受け付けられない場合:非公開ツイート、当選発表前のフォロー解除、Twitterの複数アカウントなど
    • (必要に応じて)応募された写真やコメントの一部を、SNSやWebサイトに掲載する可能性があること
    • 免責事項:Twitterの不具合が起こった場合の対応やキャンペーンを予告なく変更・中止する可能性があること
    • 個人情報の取り扱い
    • キャンペーンに関するお問い合わせ先

2.キャンペーン投稿を公開する

Twitterでは、自社またはキャンペーンアカウントからキャンペーンツイートを公開します。
キャンペーンツイートには応募要項と、「アカウントをフォローして、この投稿をリツイート」などの条件を記載します。ツイートは文字数の制限があるので、応募要項はWebページに掲載してURLを記載する、ないしは、画像にしてツイートにぶらさげる(ツリー形式で返信する)とよいでしょう。

Instagramでは、テキストや画像を使って、応募要項と、「#XXXXのハッシュタグをつけて、○○な写真を投稿」などを記載します。また、Instagramでは、投稿にリンクを貼ることができないので、応募要項のWebページやキャンペーンサイトはInstagramのプロフィールリンクに設定し、投稿に「キャンペーンの詳細はプロフィールリンクから」と記載するようにしましょう。
応募要項はキャプションにテキストで記載したり、Twitterと同様に画像にして投稿の2枚目以降に入れることもあります。

Facebookはテキスト数の制限がないため投稿内にキャンペーン応募方法と応募要項を記載することが可能です。もちろんリンクも貼れるので、応募要項のWebページやキャンペーンサイトがある場合は、URLを記載するようにしましょう。

3.DMで当選連絡を行う

応募が集まったら、当選者を選んで当選通知をダイレクトメッセージで送ります。
Twitterでは、アカウントのフォローを前提とした当選者にDMを送ります。

Instagramも当選者にDMを送りますが、ユーザーがアカウントをフォローしていないと、メッセージ・リクエストの「承認待ち」となるので、アカウントフォローは必ず応募時の注意事項に含めるようにしましょう。

Facebookでは、当選者のコメントに対して、当選のメッセージを配信します。

なお、当選通知DMには、参加のお礼や当選のお祝いメッセージ、お届け先登録フォーム、フォーム入力期限、当選に関する注意事項などを記載しておくとよいでしょう。

4.セキュリティのかかったフォームで個人情報を取得する

景品の発送が必要な場合は、送付先となる当選者の個人情報(住所や氏名など)を取得しなくてはなりません。
万が一アカウントが乗っ取られると、個人情報が流出する恐れがあるため、DMには直接個人情報を書き込ませずに、セキュリティのかかった入力フォームを当選通知DMで送るようにしてください。

フォームの入力項目には、住所や氏名だけではなく、当選者の照会がスムーズにできるよう、応募したアカウントのIDを入力する欄を設けておくと良いでしょう。

5.賞品を発送する

最後に賞品を発送して、キャンペーンは終了となります。

まとめ

Instagramの利用規約(ガイドライン)を見直そう!|SNS運用のヒントが ...

20年10月末からInstagramのプレゼントキャンペーンに関して、フォロー・いいね・コメントなどのアクションを促し、その対価を提供することがガイドライン違反となります。

手軽に実施できるSNSキャンペーンですが、媒体ごとに様々なルールや注意事項があります。今回ご紹介したルールや規約も現時点のものであり、今後も状況に応じて変わっていくことが予想されます。ルールや規約は、キャンペーンの開催ごとにしっかりと確認するようにしてくださいね^^

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